レースゲーム レア車探訪 Vol.9

レア車…レースゲームでは1度や2度しか収録されない希少な車達がいます。そんな車達に視点を向けるのが今回の企画…「レア車探訪」です。

第9回は「ルマン・ハイパーカー(LMH)の先陣」について紹介します。

TOYOTA GR010 HYBRID

2020年までWEC(世界耐久選手権)の最高峰クラス、「LMP1(ルマン・プロトタイプ)」が存在していました。

中でもこのクラスで輝いていた「ポルシェ」「アウディ」そして「トヨタ」が鎬を削っていました。

この三つ巴の技術力と競技レベルが上がっていく一方で、三つ巴の高コスト体質が問題となっていました。

結果的にその問題に対処すべくACO(フランス西部自動車クラブ)が制定した新たなるトップカテゴリーが「ルマン・ハイパーカー(LMH)」と呼ばれるトップカテゴリーです。

このカテゴリーの最大の特徴が、「LMPのような専用開発のプロトタイプというわけではなく、市販ハイパーカーをベースとすること」。

発表当時は、市販ハイパーカーの構想をもとに「最低生産台数」を規定しようとしましたが、これを撤廃し「LMHの参戦を目的としたプロトタイプ」でも可能になりました。

そしてその先陣を切ったのがトヨタが開発した新たなるプロトタイプ・レーシングカー「GR010 HYBRID」です。

当初は「GR SuperSports Concept」をベースに開発を進めようとしましたが、市販車の要件を盛り込んでいくと逆にレーシングカーにすることが困難になり、結果生まれたのが「GR010 HYBRID」になります。

2021年 Auto sport様のGR010の記事

市販車ならではの足枷

市販車を作ろうとする場合、日本だけでなく世界各国の法規制をクリアしなければいけません。

仮にLMP1で戦っていた「TS050 HYBRID」をいざ市販車にしようとした結果、サイドのラジエーターが衝突安全の規制に引っかかってしまうためフロントに移動しなければならないなどなど…こういった問題が多数出てきた為、1から開発した「GR010 HYBRID」が生まれました。

TS050との違いと言えば、500psの2.4L V6ツインターボエンジンから3.5L V6ツインターボエンジンに。これは市販車との関連性の観点からによるもの。

ハイブリッドはTS050の全輪におけるモーター(500ps)からフロントのみのモーター(250ps)になりました。

つまり、フロントはモーター、リアはエンジンにおける駆動する4WDシステムとなったわけです。

ルマン五連覇、そして…

そして、満を持して登場したGR010。その戦闘力を遺憾なく発揮しました。

ルマンでは安定した走りを見せ優勝。

チームとしてTS050に続く四連覇を達成し、2022年ではグリッケンハウスやアルピーヌが参戦し、第四戦ではプジョーのハイパーカー、「9X8」が参戦するものの速さと信頼性は一枚上手のGR010がルマン五連覇達成。

そして、2022年のチャンピオンを獲得しました。

2023年ではLMHとしてフェラーリやプジョー、LMDh(ルマン・デイトナ・ハイパーカー)としてキャデラックやポルシェが参戦。非常に濃いカテゴリーとなっています。

トヨタは改良したGR010でルマンに挑むものの、BoPによる変更で最低車両重量37kg増加するという、LMH/LMDhのなかでは、不利な変更を加えられ予選では3番手になるものの、フェラーリに1.4秒差をつけられてしまいました。

その後の決勝では最後まで僅差の優勝争いを繰り広げましたが、7号車のクラッシュによりスローダウン。

走行は続けられたものの、ルマン六連覇にはなりませんでした。

その後2024年と2025年は他のLMHやLMDhの速さが輝き始め、GR010は後塵を浴びる思いで戦い続けるもシリーズでは2位かつルマンでは7号車が最高順位の5位で終わるなど、他のメーカーとは少しばかり戦闘力が足りてないところを感じさせました。

後継機と新チーム発足

2026年からは新たにボディワーク等を一新した後継機「TOYOTA TR010 HYBRID」を発表。

TOYOTA GR010 HYBRIDの後継機としてジョーカーアップデートを施した「TOYOTA TR010 HYBRID」

TOYOTA GR010 HYBRIDの後継機としてジョーカーアップデートを施した「TOYOTA TR010 HYBRID」

前年の戦闘力を補う為のアップデートと王座奪還を目指して、カラーリングはかつてのGT-One (TS020)を思い起こさせるカラーリングとなりました。

またチームも新たに発足。

「TOYOTA Gazoo Racing Europe」から「TOYOTA Racing GmbH」と新体制で今年のルマンに臨みます。

ただこれを投稿するのは恐らくルマンが終わった後になるでしょう…現在はBMWがリードを取っていますがルマンではどうなることやら…非常に楽しみです。

登場したゲームは?

様々な戦績を残したGR010 HYBRID、実は収録されたゲームは5回ほど。

主要なゲームを3つほどあげるとしたら、WEC公式が協力している「LE MANS ULTIMATE」。リリース時にあまりにも不甲斐ない結果を残した「Project Motor Racing」。そして今なおレースシムの玉座に座り続ける「グランツーリスモ7」です。

今回は「グランツーリスモ7」におけるGR010の立ち位置を話します。

GT7でのGR010(2023年8号車)フロント

GT7でのGR010(2023年8号車)フロント

GT7でのGR010(2023年8号車)リア

GT7でのGR010(2023年8号車)リア

グランツーリスモ7のGR010はグランツーリスモ独自のトップカテゴリー「Gr.1」としてカテゴライズされています。

これは主にかつて名を馳せたグループCやLMP1、Vision Gran Turismo(通称VGT)ベースのレーシングカーなどがいます。

モデルは2021年モデルになりますので若干速さを感じるものの、やはり物足りなさは感じてしまうのと…ハイブリッドが切れてしまうとエンジン単体で走ることになってしまうので、消耗ありの準耐久戦のレースでは上手くマネジメントを駆使して走るという…少し初心者にはあまりお勧めできません。

慣れて仕舞えば速い車ではあります。正直、BoPの調整はGT7が一番上手いと思うので…名だたるレースカーとタメを張れるのは強みだと思います。

2021年カラーも選べる他、2024年の7号車カラーも選べる。リバリーでは2025年の霜降りカラーもあります。

2021年カラーも選べる他、2024年の7号車カラーも選べる。リバリーでは2025年の霜降りカラーもあります。

GT7でのGR010アップデート追加トレーラー

テストドライブ

総括

今回はGR010 HYBRIDを紹介しました。

トップカテゴリーの先陣を飾り、怒涛の活躍を見せたとてつもないプロトタイプ・レーシングカーですね。

しかしながら、時代の流れというのは残酷で…他のハイパーカー達が着々と戦力をつけてきて(特にフェラーリとか)戦力差を感じさせてしまうという辛さを味わった車だと思います。

今季はその後継機であるTR010 HYBRIDがルマンでのデビューウィン果たし、GR010が味わった雪辱を払拭できるのか楽しみです。

さて、記念すべき10回目は「SOLID DAYS結成のきっかけとなったゲームのみに登場する車」を紹介します。

お楽しみに。

著者:渋花(シブハナ) @Lilligant_MR4

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